超多収米・飼料用米

日本では米の生産数量調整が行われ、作付面積は減少傾向にあるが、穀類全体の自給率は低くなっている。これは小麦等の食用穀類だけではなく、家畜の飼料用として輸入される穀類が多いことが原因である。日本の食糧自給率向上のためにはこれら穀物の供給の一部を稲に転換し、その利用の多様化を図ることが課題となった。これを進めるためには、生産性の高い超多収品種の開発が不可欠であった。

 

そこで昭和56年から平成元年にかけて総合開発研究「超多収作物の開発と生産技術の確立」を実施され、超多収米の開発が進められた。この研究では「逆7・5・3」計画と呼ばれる目標が設定され、昭和56年を基準として、最初の3年後(第1段階)で10%、次の5年後(第2段階)30%、さらにこの7年後(第3段階)で50%の増収となる品種の開発が目標であった。また生産性を高めるためには単なる多収性だけではなく、安定した収量を得ることが必要であり、そのため耐冷性や病虫害への抵抗性も高いことが必要とされた。

 

このように品種改良が進められた結果、炊飯米としての食味は悪くても、超多収であり、生産性の高い様々な品種が誕生した。超多収米の品種にはいくつかの用途に分かれ、主に次の3種類がある。加工原料、稲発酵粗飼料、バイオエタノール原料となっている。そしてそれぞれの用途ごとに品種が開発されている。

 

そしてさらに近年では、主食用の良食味多収品種も現れている。

 

(1)加工原料用

近年、銘柄米の生産が増加したことにより、低価格の米が不足しているが、加工適正のある超多収米により、価格を抑えることができる。

品種例)タカナリ ふくひびき おどろきもち もちだわら

 

 

(2)飼料用稲

大別すると、収穫後乾燥調整して給与する方法と、サイレージ(発酵飼料)調整して給与する方法の2種類がある。

 

前者の場合は食用米と同様、成熟期で収穫し、乾燥調製され、主に豚や鶏に給与される。

 

後者の場合は、収穫後の稲をビニール製のラップフィルムで梱包して発酵させ、飼料として利用する。形成時に専用の乳酸菌を添加すると良質なサイレージとなり、主に乳用牛と肉用牛に給与される。この稲発酵粗飼料米は超多収でありつつ長稈という特徴を併せ持っている。サイレージとして家畜に給与するにあたっては、主に下記の3種類の方法があり、なかでもホールクロップサイレージ(WCS)は畜産農家からの要望が多い。

 

品種例)なつあおば タチアオバ  クサノホシ リーフスター タカナリ はまさり

 

 

①イネホールクロップサイレージ(WCS)

出穂後30~35日の黄熟期に収穫適期を迎えるため、通常の食用稲よりも早い生育ステージで収穫できる。子実部分を茎葉ごと収穫し、密閉して一定期間貯蔵し発酵させた稲のこと。この稲WCSは飼料用稲の大部分を占める。

 

 

②イネソフトグレインサイレージ(SGS)

子実の部分だけを用いて、密封して酸性発酵させた飼料のことで、濃厚飼料に属す。

 

 

③完全混合飼料(TMR)

サイレージや干草を細断したものに、配合飼料や米ぬか等を用いて、栄養成分をバランスよく調製した混合飼料。

 

 

(3)バイオエタノール原料用

品種例)北陸193号

 

 

(4)主食用

近年ではコシヒカリに近い良食味品種も登場しており、主に外食産業を中心に業務用の米として注目されている。

品種例)あきだわら

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