農産物品評会 最優秀賞に輝いた人たち

1月 21st, 2014

2013年11月の農業祭にあわせて 西宮市農産物品評会が行われた。
今年も30品目110点の出品数の中から 3点の最優秀賞が選ばれた。年の瀬も押し詰まった寒風の中で作業されていた、今年の最優秀賞3人の方にお話を伺って来た。

<最優秀賞>
兵庫県知事賞 伊勢隆治さん ホウレンソウ
西宮市長賞  多田正治さん  ネギ
西宮市議会議長賞 古塚雅章さん  コマツナ

①伊勢隆治さん(兵庫県知事賞  ホウレンソウ)

農業品評会
 農業学校を出てすぐに農業に従事された伊勢さんとは、すぐ隣に市民農園がある上大市の畑で出会った。

「今年は寒いですね~」と言う言葉で始まった取材はキクナの収穫の真っ最中。

今年の品評会には5点出して ホウレンソウが最優秀賞を取った。「出品されているのは、皆さんがそれぞれに吟味された物ですから、どれが選ばれてもおかしくはないですよ…」

品評会の期日にあわせて育てていても、その時の微妙な天候や気温差もあり、一番最高の時に合わせるのが難しいという。

特に、最近の異常気象ではこれまでの経験でもカバーしきれない事もある。
「その年の気候変化は、2月いっぱいの気温を2時間おきに測ってその平均値をグラフにすると、それがその年一年間の気温変化の目安になるという研究があります。きっちり測っているわけではないですが、体感として8割ぐらい当たっているように感じます。」
農業品評会 農業品評会

農業をしている喜びは、物を作る喜びだと語る伊勢さん。「例えば葉先まできれいで、長さも適正で、色艶も良く…というような自分の理想の作物ができた時は本当にうれしいです。」

例えば、今まさに収穫期に入る雑煮大根は、種を蒔ける時期がたった5日間。収穫期にあわせて、気候の変化も考えてその5日間の早めに蒔くのか、遅く蒔くのかを考えて蒔くのだとお聞きした。「農業とは土地を守るのではなく 技術の伝承をしていくことだと思っています。」
キクナの畝には トンネル上のビニールが掛けてあるが、今年は寒いから二重にしてある。昼夜の温度変化で葉先が痛みやすいので、気が抜けないそうだ。

 

②多田正治さん  (西宮市長賞 ネギ)

農業品評会
 今年は4~5品を出品された多田さんは、ネギで市長賞を受賞。

「実は ネギは手がかかるんです。虫もよく付きますし…」生育期間が長いネギは、畑を占有する期間が長いこともあり、広い面積の畑がないとネギはむつかしいのだとか…。



「ネギは連作をしないようにしているので、どう場所を変えていくかは年間のスケジュールの中で考えています。」

品評会に出したネギの播種は8月後半。残暑厳しい中、品評会に合わせてきれいな形に育てるのは大変だったようだ。「あの大雨の時には このあたりの畑も一帯がプールのようになって大変でした。」雨が止むやいなや、水抜き作業にかかったが、それでも助けられなかった作物も多かったと振り返る。

出荷する野菜を洗ったりする作業場には いつどこに何を蒔いたかという記録ノートが掛けてあった。それは、脱サラで今年から家業を継いでくれる息子さんの大事なバイブルにもなっている。
自宅用に植えてある野菜を別にすると 年間に作る野菜の品目はそう多くない。「ここのが美味しい。ここのがエエ…と言ってくれるお客さんを大切にしないといけないからね。」
IMG_6332 農業品評会

どんどん畑の廻りに住宅が迫ってきた今、昔とは当然農業のスタイルも変わって来たが、その年の天候に左右されるということでは昔も今も同じ。
消費者さんはわがままやからね…と、とても明るく笑いながらも、気まぐれな自然条件を懸命に経験で乗り越えていく後ろ姿は、きっと息子さんに受け継がれていくのだろう。

 

③古塚雅章さん (西宮市議会議長賞   コマツナ)

農業品評会
「私は 平成六年にUターンで帰って来ました。最初は親に働き手の頭数に入れてもらえてなかったです…」と振り返る。

お話を伺ったのは 中にコマツナが植わっているビニールハウスの前。



露地だと生育が遅くなるため、冬場の時期には4棟のハウスを使用している。コマツナを順番に出荷できるようにと考えて種を蒔く。加えて、出荷するタイミングに合わせて、ハウスの下の方を開閉することで温度調節をしたりもする。

そうして出荷する業者のコンテナのサイズに合わせて、野菜の大きさも調整していくと言う。スーパーや小売店で売られている野菜を値段のみで判断して高いの安いの…と言いながら買うだけの我が身がすこし恥ずかしくなった。

主に作っているのは4種類ほど。一般的に軟弱野菜と言われる葉物野菜である。強みを生かすためにも、品目は絞り込んでいいものを出荷する。「登録番号などをみて、リピーターになっていただけるとうれしいですね。」
農業品評会 農業品評会

自然相手のため、納得する野菜が今年はできたとしても、来年もできるとは限らない。そういう意味でも、毎年初心を忘れないようにしている、と謙虚。「このコマツナでも、その時の気候によって種を落とすピッチを替えたりします。厚く蒔く方が収穫は多くなりますが、風通しが悪くなって虫が付きやすかったり…。失敗も経験です。」

全く違う土地で、違う作物を作るとしたらどこで何を作りたいですか??などという無茶な質問にこんな答えが返ってきた。

「以前 NHKでレンコンの収穫を見たんですが、大変そうだけど一度やってみたいなと思いましたね。後は、フランスのボルドー地方のブドウ畑を一度見てみたいな~~。」

 

 

柏堂の藤井ファーム

11月 4th, 2011

北山緑化植物園の道を挟んで反対側の方に広がる柏堂の住宅地。
眼下には、西宮の市街地を通りこして 梅田のビル群や大阪湾が一望でき
生駒山脈がすぐそこに見えるという雄大なロケーション。

IMG_1086
<写真をクリックして頂くと大きくなります>

今ではすっかり住宅地となった柏堂で
35年前から無農薬・有機栽培にこだわって農業をされている
藤井健太郎さんの畑にお邪魔して来た。

「ガーデニングにもあまり興味はなかったですし、
野菜はスーパーで買うもの・・・というイメージでしたね 。」
と笑いながらお話しして下さったのは、藤井さん家に嫁いだ聖子さん。

「私が本当に農業を身近に考えるようになったのは、この子が生まれてからですね。」
傍らにいる娘さんに目をやる。
お肉より、野菜大好き・・・でも虫は嫌い!!というかわいい女の子。

IMG_1123 IMG_1116

35年前に自然農法をするようになってからは、殆ど個人のお宅に宅配のかたちで来たという。
最近は、聖子さんの繋がりで若い層のお得意さんも増えて来た。
「 こんなに濃い味の野菜は初めて!!そんな言葉を聞くと本当にうれしいですね。」
山の上のきれいな空気と丹精込めて作った土と山からのきれいな水に
きっと支えられているんだろう。

山に近いから猪の被害も多いらしい。
「近頃はヌートリアもくるようですね。一度トウモロコシが全滅した事もあるんです。
自然相手ですから、本当になにが起こるか分からないですね。」

IMG_1089 IMG_1101

美味しいと言って下さる方に直接手渡せる喜びを感じているという。
個別宅配だから、年間70種類ぐらいのお野菜をつくるという。
畑の横の田んぼには、稲を干した後の稲木が・・・
「うちのお米は、みんな天日干しなんですよ。」
IMG_1105

今は、聖子さんのご主人が農業を継ぐために勉強中とのこと。
お父さんの健太郎さんと二人の姿が畑に現れる日も近いのかもしれない。

畑では、冬に向けての野菜が植えられていた。まだ小さい苗には虫にくわれた葉っぱも見える。
「栄養がいいんでしょうね。虫も大きいんです(笑)でも、虫に負けませんよ!!」
35年かけて 有機肥料で作った強い土が、虫にも負けずに葉っぱを育てていく。
その土の力強さが、きっと野菜の味を強くしているんだろう。

IMG_1096 IMG_1097

藤井さんのお野菜については、こちらから見て下さいね。
<野菜の購入等、お問い合わせも上記ホームページを見て下さいね。>

IMG_1093

もう、最盛期は過ぎたナスの中に、変わった種類を見つけた。
「普通のナスよりアクが少ないので、この夏場は人気でしたよ!!生でいただけますから。」

来年の夏を楽しみにしよう!!


色づいて来ました!松原さんの田んぼ

9月 15th, 2011

いや〜〜、前回からなんと2ヶ月のご無沙汰!!
もうすっかり田んぼの稲も色づいて来ました。

夏の戻りの様な暑さで、まだセミが鳴いてたり、シオカラトンボが飛んでたりですが
それでも、頭を垂れた穂の上には、秋のトンボが旋回していました。

先日の台風の影響でしょうか?少し稲が倒れている田んぼもありましたが
多分、今月末頃からは順番に稲刈りが始まるのでしょうね!!

IMG_0425 IMG_0426

畑の大市茄子(おいちなす)も見て来ました。
すでに、収穫が終っているナスの種類もありましたが
大市のナスはまだこんなにたくさんの実をつけていましたね。
焼きナスが美味しいそうですね。
西宮の特産のナスですが、一時期あまり作られていませんでしたが
最近、また少しずつ作る人が増えているようです。
IMG_0420

松原さんちの『お市のナス』

7月 5th, 2011

かつて、西宮の特産のなすの種類がありました。
『お市のナス』と言います。
西宮に、上大市/下大市という地名がありますが、その辺りで多く栽培されていたのでしょうね。

なかなか、作り方が難しいらしく、段々作る人が減って行きました。
今、そのお市のナスを作っておられるのは
主に山口町/名塩 あたりの数軒の方々のようですね。

松原さんの畑にお邪魔して来ました。
ありました、ありました!!「お市のナス」
そのほかにも、紫 水ナス・長なす・うす皮味丸・・・などなど。
たくさんの種類が植わってました。
IMG_0055

長なすも大きくなって来ましたね。
IMG_0052

お市のナスは、収穫のタイミングが難しいらしく
昨年より、作付けは減らされたようですが
収穫されたら、山口の農協が経営している「彩採やまぐち」に並ぶようです。
焼きナスや田楽がおいしいとお伺いしました!!

お市のなすが段々大きくなって来ました。
IMG_0049 IMG_0050

最後におまけの情報!!
「ベリー」っていう名前のミニトマトです。
IMG_0060

ネ!!ちょっと、ハート形でしょう???
これから段々色づいて行きます!!

松原さんの田んぼのある名塩の棚田

6月 19th, 2011

5月14日 耕運機で田んぼが耕し始められました。
こうして田植えの準備が始まっていくんですね。
IMG_0018 IMG_0022

6月2日 早い所では田植えが始まっていました。
お米の品種によって差があるんですね。
水が張られた棚田を上から見渡しました。きれいです!!
IMG_0069
IMG_0045 IMG_0064

6月8日 手前にある松原さんの 田んぼも田植えが終っていました。
そこには餅米を植えておられるようです。ヒノヒカリはまだこれから田植えのようですね。
IMG_0007 IMG_0013

なんと田んぼに「合鴨」を見つけました。
松原さんの田んぼにいたのでお尋ねしましたが
昨年からこの辺りに住み着いている鴨のようです。気の向くままにあちこちの田んぼに行くんだそうです。
静かな山間の棚田の様子を動画でどうぞ!!⇒

お米甲子園2010で優勝した名塩の松原茂さん

5月 9th, 2011

兵庫県で『お米甲子園』という、兵庫のおいしいお米のコンテストが開催されている。

7回目となった「お米甲子園2010~兵庫のおいしいお米コンテスト~」で見事優勝したのは、西宮市名塩で農業を営む松原茂さん。

IMG_0046 IMG_0025

お米甲子園と名づけられたコンテストは県内各地からおいしいお米を集め、その味を競うもの。昨年は県内362点(一昨年は346点)の中から選ばれて残ったよりすぐりのお米16点の食べ比べ審査が行われ、松原さんのヒノヒカリが選ばれた。
参加した品種別内訳 : コシヒカリ 206点、キヌヒカリ 67点、ヒノヒカリ 89点

〜〜2011年4月 松原さんのご自宅でお話をお聞きしてきました〜〜

<農業一筋でこられたんですか??>

実はサラリーマンでした。自動車メーカーに勤めていました。長男ですからいずれは・・・と覚悟はしていましたが、もう少し勤めたかったですね。(笑)

自分の人生設計より5年早かったのですが、今から7年ほど前に親父の跡を継ぎました。今は親のやっていたことを受け継ぎながら試行錯誤しています。

<お米甲子園に出ようと思われたきっかけは??>

サラリーマン時代と違って、農業というのは人と接する機会が大幅に少なくなってしまします。ですから4年前にこのコンテストを知った時、人との交流が出来るいい機会でもあり、また自己啓発も兼ねてチャレンジしました。

最初は、コシヒカリで応募していたんですが、昨年はヒノヒカリにしました。
こんな賞をいただけてうれしいですね。やはり励みになります。今年もがんばりますよ!!

<お米作りが中心ですか??銘柄は??>

兵庫県では三ヒカリといってコシヒカリ・ヒノヒカリ・キヌヒカリが主に作られていますね。私も今は、コシヒカリとヒノヒカリ、そしてもち米を作っています。

うちはお米が中心ですが、JAさんからの依頼などもあって、野菜も直売所に出荷しています。最近は、ニンニクも作り始めました。

大市(おいち)のなす・・・というナスがかつては西宮の特産でしたが、なかなか作りにくいので手がける人が減ってます。今年も、本数は少ないですが栽培します。

<松原さんのお米作りへの想いを教えてください>

お米作りも、収穫量に重点を置くのか、食味を重視するのかでも、育て方は違ってきますね。私は後者でしょう。
それぞれ田んぼの条件は違いますが、基本的には粗食で、稲をのびのび育てるようにしています。

<農業は生き物相手ですから、一年中お忙しいとは思いますが・・・>

そうですね~、少し余裕があるのは正月過ぎから3月半ばごろまでですね。早ければ5月の中頃から田植えが始まりますから、その準備もあり、今から忙しくなります(笑)

最近は、気温が高く昼夜の寒暖の差が少なくなってきたので、お米も野菜も品種選びと栽培管理もより難しくなってきたように思いますね。

*************

この後、松原さんの田んぼや畑を見せていただいた。「このあたりの風景が、これからどんどん変わって行きます。きれいな景色になりますよ!!」と話す松原さんのお顔がとてもうれしそうだった。

IMG_0054 IMG_0036

今年一年、時々松原さんの田んぼや畑の様子をレポートしますのでお楽しみに!!

かつての西宮の特産だったという「大市ナス」や最近作り始めたというにんにくなども、お米と一緒にご紹介していきま~す。

サイトマップ